KIRG受講記(2018年11月) 楠田詠司
初めは長いかと感じていた8ヶ月にわたる講習もいよいよ最終回を迎え、過ぎてみればあっという間であったように思います。4月にはじめて熊本に来た時を思い出しながら最後の講義に臨みました。
11月の講義はインプラントの今後の展望やあり方、高齢化社会に対応していくためにはといった内容や、トラブルシューティング、医療訴訟まで幅広い内容でとても充実したものでした。KIRGのこのコースにおいて、インプラントだけの知識や技術の習得だけではなく、「インプラントを行っていくために必要な知識」が数多く盛り込まれていることは非常に有意義に感じられました。埋入出来ればよいとか、審美的に出来ればよいといったことだけではなく、いかに患者さんの要望や状況、今後の予測をふまえて考えられるかということを教えて頂いたように思います。自分自身も「やりっぱなし」の治療にならないように気を引き締める気持ちで聴講させていただきました。
今回のKIRGのコースを修了し、インプラントに対する考え方は色々と変化したと思います。インプラント治療は大きな自費収入になるのは事実でありますが、安易な経営手段として導入するのは危険であり、実に様々な準備・知識・場合によっては経験が必要なものであり、それらに基づいた患者さんとの良好な関係構築があって初めて成り立つものだと感じました。そのようなきちんとした体制の元であれば、医院・患者双方にとって非常に有益な治療であることは間違いないと実感したところでもあります。事実、受講後は患者さんへの話し方・その内容にも変化があり、患者さんの反応にも変化が起こり始めた気がします。少しずつではありますがインプラントのケースも増えてきたようです。
数が増えていくに従い考えることは、今月の講義にもありましたが超高齢化社会において自分の行ったインプラント治療を今後どう考えていくかということでした。既存のインプラントをどうしていくか、加齢やフレイルの中でどう対応していくか、オーバーデンチャーを含めた設計の考慮など、考えるべき課題はたくさんあるようです。自分の知識の裾野を広げ、より多くの患者さんの要望に対応できるようになれればと思います。
インプラントにかかわる書籍やDVD、あるいはテクニック的なセミナーは数多く存在します。ただし、それだけでは実際に自院においてインプラント治療を行っていく際には様々なトラブルが生じてくると思います。それは医療従事者としての倫理観や、人間性というものが問われてくるからかと思います。KIRGではインプラントのことを学んでいくのですが、それと同時に患者さんとどう向き合うかを一緒に考えて行けるところだったと感じました。講師の先生方も非常に気さくに接して頂き、お酒の席でも学術的なことから趣味の話まで、楽しい時間を過ごさせていただきました。8ヶ月間、本当にありがとうございました。
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第8回講習会 感想文
鎌田政彦
4月から始まったKIRGもあっという間に最終回を迎えました。
この8カ月でインプラントに関する知識・技術だけでなくインプラント治療に取り組む姿勢についても学ぶことができ、自分自身大きく成長できたと思います。
そしてそれは講師の先生方やサポートしていただいた多くの方々のお陰であり、改めて感謝したいと思います。
今回の講義は土曜日は
・渡邉文彦先生
昨今の高齢社会において介護が必要になるとインプラントの清掃不良などのトラブルがおこって来る可能性があるため今後は将来を予測したインプラント治療が必要になる。
・矢島安朝先生
これからのインプラント専門医のあり方について
・杉山正美先生
実際の医療訴訟から学んだ教訓を聞くことができ、もし自分に同じようなことが起こったらという気持ちで真剣に考える機会になりました。
日曜日は
・森永太先生
これからの高齢化社会では将来を見据えたインプラント治療が必要になる。インプラントをすることで健康寿命を延ばせる可能性がある。歯の喪失が加速する前にインプラントでそれを食い止めることの重要性。
故郷に恩返しするため新たに診療所を開設し、診療されている姿に同じ歯科医師として感銘を受けました。
・若松陽子先生
弁護士の立場から見た医療について学ぶことが出来た。何かが起こってから考えるのではなく起こらないように準備、行動していきたい。
・土屋嘉都彦先生
インプラントオーバーデンチャーについて
費用を抑えつつ費用対効果の良い治療法であると感じた。
講義の後は伊東会長から受講生に向けて激励のお言葉を頂き身の引き締まる思いでした。
今後も引き続き研鑽を積み患者さんにとって有益なインプラントを行って行きたいと思います。