2023年度 認定講習会第4回 報告

2023年度 九州インプラント研究会 第4回講習会を終えて

 

第29期  柿沼 大介   医療法人篤志会さこだ歯科(鹿児島県鹿児島市)

 

2023年7月15日(土)、7月16日(日)に肥後銀行北熊本支店研修室にて第4回講習会を受講致しましたので報告をさせて頂きます。

 

1日目 午前の部~午後の部前半 (香月 武先生)

 

「口腔外科の知識と実技」という演題で講義をして頂きました。

 

インプラント治療において失敗は色々とあるが、その失敗から恐れず学んでいくことの大切さを学びました。

そして実際の治療において起きやすいミス、血管の走行などから気を付けるべき点、そうしたミスをした際の対処法などについて経験に即して具体的に講義をしていただきました。

また講義の後半からはオリジナルの道具を使用しての縫合の実習を行いました。

運針の仕方や縫合の仕方だけでなく、縫合針の選び方や針の通し方や糸が外れたり、組織が千切れないように縫合していくコツなどについてもご教授いただきました。

 

午後に入って豚顎骨を使用してのメスで切開を行った後に連続縫合、減張切開の練習を行い、ボーンサージェリーを用いて骨削合の実習を行いました。

外科領域での失敗例、どういったところに気を付けるべきかのお話、ミスに対しての対処についてと縫合や切開・骨削合などについて基本的なところからしっかりと学ぶことが出来ました。

香月先生のお話を胸に、私自身としても失敗から恐れず学んでいく姿勢をしっかりと持ち続けようと思います。

 

 

1日目 午後の部後半 (飯島 俊一先生)

 

「Straumann Dental Implant Systemの基本と臨床」という演題で講義して頂きました。

インプラントの形式・形状・表面処理・材質・術式など歴史・変遷について、そしてStraumann インプラントの実際の手順について学びました。

手順を学んだ後に実際に模型を用いてBLとTLそれぞれの埋入実習を行いました。

 

その後はインプラントの補綴について、インプラントのメインテナンスについての講義をしていただきました。

その中で飯島先生がお話しされていた、「現在は再治療を避ける、治療を成功させて長期予後を良くするということに重きを置いて今診療をしている。どうやって長く持たせるかということを自身でもしっかりと考えてみてほしい。」という言葉が頭に残りました。

入れたら終わりではない、ということをしっかりと考えて今後の診療に臨みたいと思います。

 

 

2日目 午前の部 (児玉 利朗先生)

 

「ソフトティッシュマネージメント」について講義をして頂きました。

 

歯肉の組織的な性質、構造からの切開線のデザインの話。遊離歯肉移植術を行う際の受容創・供給創の形成について、結合組織移植術について、減張切開・懸垂縫合などテクニックについて、骨補填材について、そして総括としてソフトティッシュマネージメントのポイントについて講義をしていただきました。

その後豚顎骨を用いて歯肉弁歯冠側移動術、懸垂縫合、遊離歯肉移植術の実習を行いました。

それぞれの手技の勘所など詳しくご教授いただき、大変勉強になりました。

今まで漫然と角化歯肉があるほうが良いな、ぐらいに思っていたぐらいでしたが軟組織の管理の大切さが良くわかりました。実際の臨床で先生自身が気にかけていること、テクニックについても詳しくご教授いただけて大変参考になりました。

 

 

2日目 午後の部 (森永健三先生)

 

「硬組織のマネージメント」について講義をして頂きました。

 

まず豚下顎骨からトレフィンバー、セーフスクレイパー、ピエゾサージェリーを用いた骨採取の実習。採取した骨を使用してのGBR実習。テルダーミスにて被覆を行い、タックピンによるメンブレンの固定の実習を行いました。

様々な道具で実際に使用感の確認が出来、長所・短所が理解でき、勉強になりました。

その後座学で骨造成の意義、難易度に関わる要因、リスクファクター、術式、注意点、問題が起きた際の対処策について講義をしていただきました。

・骨造成を適切に行うことで適応を広げ、予知性を向上させられる。

・使用する補填材・遮蔽膜の特性を理解し、適材適所使用することが重要である。

・骨造成自体リスクはある。それ以外の方法が可能であればそれを模索することも選択肢

この3点については常日頃からしっかりと頭において診療をしていきたいと思います。

 

 

今回で早くも第4回で、ちょうど半分まで来ました。早速明日から診療説明、考え方、実際に手技に取り入れてみよう、と思えるものばかりで、有意義で貴重な経験をさせていただいております。

伊東先生からも今回のセミナーの折に「なんにも問題のない環境のところに積極的にメスを入れて処置をするのだからオペが原因で何か問題が起きたり、支障が出るべきではないから絶対にきちんとやらなければならない」という言葉がありました。

自らの診断・治療に責任があるのは当たり前ですが、それを再度しっかりと胸に刻んで今後の診療に取り組んでいこうと思いました。

今月もありがとうございました。また来月もよろしくお願いいたします。


第4回 KIRG 受講感想文       鹿児島 さこだ歯科 有留 康平

今回、初めての実技中心のセミナーという事で、知識だけでなく大変多くの技術を学ばせていただくことが出来ました。ありがとうございます。

 

初日である7/15の香月 武先生の講義では、OPEに対する心構えや患者に見られている診療の細かいポイントなど診療に即した内容を教えていただきました。OPEの準備や手術衣の着方まで細かく指導していただきました。

午後からは、基礎中の基礎となる歯科に適した縫合と切開・剥離の実技に加え、模型を用いたインプラント埋入を行わせていただきました。私の医院ではストローマンインプラントを使用していないため、シャアの大きいストローマンインプラントを使用させていただき大変貴重な経験となりました。ありがとうございました。

 

2日目には、児玉利朗先生によるソフトティッシュマネージメント、森永 健三先生によるハードティッシュマネージメントを拝聴・実技を行いました。

ソフトティッシュマネージメントでは、インプラント治療における付着歯肉の重要性を教えていただき、残存している付着歯肉幅毎にどのような歯周外科処置を行う事で付着歯肉幅の獲得やインプラント予後の獲得を行うか教えていただき、減張切開や付着歯肉移植・骨膜縫合など有用な技術を教えていただきました。

ハードティッシュマネージメントでは、自家骨採取の器具から実際に豚下顎骨を用いたピエゾサージェリーによる骨削合を行わせていただきました。骨の硬さや厚みから、神経損傷リスクの少ない部位の説明など実際に手を動かして行う事でより理解が上がりました。

 

次回以降も、実習中心のセミナー内容となっており、とても楽しみにしております。残り半分となりましたが、宜しくお願いします。


2023年度 九州インプラント研究会( KIRG )第4回 感想文

2023年7月15日 場所:肥後銀行 北熊本支店

 

第29期 大林歯科小児歯科医院(福岡県) 大林佑子

 

1日目

9:00~12:00 外科的知識と実技、実習Ⅰ

担当:香月 武 先生、堀川 正 先生、添島義樹 先生

香月武先生より口腔外科の基本手技についての講義

初めに口腔外科の手技のお話しの中で、相対性理論を提唱したアインシュタインは趣味のヴァイオリンを常日頃から練習しているからこそ、いつどんな時でも演奏ができたとお話しされました。私は研修医、大学院生活ともに口腔外科でお世話になったにも関わらず、最近は補綴や根管治療にばかり目を向けており、以前は自分で取り組んでいた智歯抜歯等の外科手術に対し面倒を理由に避けていました。外科的な手技の日々の研鑽を怠ると、いざインプラントの手術をする場面で、歯肉の切開、剥離、縫合等の基本的な手技がスムーズに出来ず、一番大切なインプラント体埋入に集中することもできませんし、術後の侵襲や粘膜の治癒の状態にも影響してしまいます。自分の怠惰な部分を痛感し、非常に反省したので今後はなるべく外科処置も逃げずに取り組んでいきます。

またインプラント手術時のオトガイ下動脈の損傷による死亡事故事例を踏まえたお話しから、口底出血について詳しく解説がありました。解剖学をよく理解し、術前のC T画像をよく確認しておくことは必須ですが、口底出血してしまった際の対応についてよく理解できました。エアウェイの確保がまずは第一であること、その後に止血処置となります。トラヘルパー等の簡易的に気管切開ができる器具の準備が必要です。また上顎の手術の際は大口蓋動脈の出血が問題となるため、大口蓋孔の位置を把握することが重要であり、出血が生じる原因としては術野が小さく、骨膜までしっかり剥離できていないということがありましたので、基本的な操作と解剖を把握することが非常に大切と再確認できました。

実習Ⅰ 縫合について

研修医時代からの我流で縫合をしていたので、基本に忠実なやり方で緩みなく綺麗に縫合できる方法を教えて頂きました。日々の臨床にすぐ生かすようにします。

 

13:00~15:30 外科的知識と実技、実習Ⅱ(手洗い、術衣の着方)

担当:香月 武 先生、堀川 正 先生、添島義樹 先生

 

手指消毒、術衣の着方を復習した上で、豚の顎骨を用いて実習を行いました。

メスの持ち方や、切開の基本など、普段自己流になっていることが多々あるため基本を再確認できました。また連続縫合や、マットレス縫合なども普段なかなか行いませんが、インプラント手術の際に必要な場面も想定されるので、日々の診療の抜歯等の縫合の際に行なってみようと思いました。

バリオサージを用いた骨削合も体験できました。当院にはバリオサージがあるので、抜歯等でグルーブ形成を行う際などに有益とのことだったので、実践してみます。

香月先生の素晴らしい手技を間近で見て、さらに実際に指導もして頂けて大変有意義な講義・実習となりました。自分の中で反省と再確認することが多々ありましたので、日々の臨床ですぐに活かせるようにします。

 

15:30~18:00 ストローマン・インプラントの基本と臨床(講義・埋入実習)

担当:飯島俊一先生

講義について

ストローマンインプラントの変遷やBLX等の最新の情報を教えて頂きました。

さまざまなタイプのフィクスチャーがありますが、患者一人一人の骨の状態を評価して、一番良いものを選択していく必要があります。また全顎にわたるインプラント症例や長期的に安定している症例を供覧して頂き、非常に勉強になりました。また高齢社会において、患者が施設に入所して外来に通院できなくなった状況やその場合におけるインプラントの管理などが、今後大きな課題となるというお話が印象的でした。私達歯科医師は、目の前の患者の将来や数十年後を見据えた上で治療を行うことが必要であり、患者の人生に大きく関わる仕事をしていることを強く感じました。

どんどん新しい技術や器具が開発されていく中で、日々の研鑽を怠らず、より良い医療を提供できるように努力していきたいです。

 

埋入実習について

顎模型を使用して実際に埋入の実習を行いました。以前の勤務先ではインプラント手術はアシストしていただけなので、実際に器具を使用して埋入を体験でき有意義でした。模型上でも埋入角度を調整することが難しかったので、口腔内で行う場合さらに難易度が高いだろうと思います。そのためにガイドの使用は必須であり、事前にC T画像を十二分に確認し患者の骨の形態や血管の走行などの把握が重要と感じました。

 

 

今回は個人的な都合により二日目の講義・実習を受講できませんでしたので、来年度に再度受講いたします。K I R Gの講義は毎回とても勉強になり、日々の臨床で活かせる情報をたくさん与えて頂き誠に感謝致します。次回からの講習も楽しみにしております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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