2022年度 認定講習会第8回 報告

2022年度九州インプラント研究会第8回講習会を終えて

第28期 鈴木純子 ジュンデンタルオフィス高円寺(東京都杉並区)

今回は最終回ということでフェアウェルパーティーあり、内容も周辺領域の講義ありと大変充実した講習会でした。パーティーでの講師陣の言葉を頂けたことがありがたく、さらに受講生挨拶もあり、志の共有ができたと感じています。修了式では、伊東会長からの祝辞をいただいて本当に丁寧な講習会であったと感銘を受けております。

 

1日目

1講義目は渡邉文彦先生のインプラント医療の展望という表題の講義でした。

長期にわたる先生の基礎研究と臨床の一端をお話しいただいて、一つ一つのテーマが大変重く感じました。そのなかでも、医療事故における医療者としての倫理観の重要性を改めて考えさせられました。

 

2講義目は矢島安朝先生の医療事故への対応と信頼回復への方略、そして専門医のあり方とカリキュラム再編成の講義でした。

インプラント特有の事故トラブルから、診療室でいつでも起こりうる事故まで網羅していただき、大変勉強になりました。特に紹介されたDVD「緊急事態!歯科診療室でこんなときどうする?」は大変有用だと感じ、早速購入し、スタッフと共に見させていただいたうえで、本に書かれている各疾病を持ち回りでスタッフ間で発表することにいたしました。日々の診療のことだけでなく、万が一起きてしまった状況にも的確に落ち着いて対応できるよう、医療機関としての質を高めていきたいと感じました。

3講義目は杉山正美先生の医療訴訟から学んだことというテーマでのご自身の経験を伺いました。大変なご苦労をされた話を共有いただいて感謝しております。歯科医師会と医師会のスタンスの相違など、生々しい現実的な内容で、身の凍るような思いがしました。

訴訟はいつ何時、想像もつかないようなきっかけにより、誰にでも起こりうるものなのだということを切実に感じました。

 

2日目

1講義目は、横田誠先生の人生100年時代の噛める歯周病学でした。

ポケット、炎症、挺出、外傷、セメント質破壊というキーワードで治りにくいペリオの分類がすっきりした思いがしました。

2講義目は若松陽子先生のインプラント治療に関する法という表題の講義でした。今日においては医療においても刑事訴追されることがあるとのことでしたが、挙げられた数件の実例においては、医療者側の信じがたい対応があったことも事実です。しかしながら、ほんの少しの怠慢が、ここまで大きな事件事故につながってしまうことに大きな怖さを感じました。講義は内容、情報量ともに大変わかりやすく、内容の充実度もさることながら、弁舌さわやかな講義で引き込まれました。対人接遇という側面でも先生をお手本にしたいと思いました。

2日目の最終講義は佐藤公則先生のインプラント治療に伴う上顎洞合併症の病態と治療に関する講義でした。これまで、副鼻腔領域は、画像や動画などで触れる機会が少なく、視覚的にイメージしにくい領域でしたが、今回、動画の供覧も多く、大変勉強になりました。このような網羅的でオペ動画まで含まれた上顎洞炎の講義を受けたのは初めてだったので感謝しております。佐藤先生の本は去年購入し、勉強させて頂いていましたので、直接講義を受けられて良かったです。


第28期 湯浅 主庸

辻歯科口腔外科総合クリニック(福岡)

 

2022年11月19日、20日に熊本市国際交流会館にて受講いたしました。

今回も現地参加とWebとのハイブリット方式で講義がありました。

 

1日目は渡邊文彦先生(現地)、矢島安朝先生(ZOOM)、杉山正美先生が現地にて講義されました。

渡邊先生はインプラント医療の展望という観点から講義していただきました。トラブルを回避するためには、最小限にするためには、やはり基本を忠実に行い、無理をしないことを具体例を交えながら細かく学びました。

矢島先生はインプラント治療でのトラブルの対応と、どう信頼回復するかを主に講義していただきました。また、インプラント歯科専門医になるためのGIO、SBOsの詳しい説明まで行っていただきました。インプラント治療を行う者として避けては通れない課題でもあり、その課題をいかに達成できるかを整理して理解出来たので今後に活かしていこうと思いました。

杉山先生は医療裁判の体験談をもとに講義していただきました。日頃の診療でやっておかないといけない事から、裁判になったとしても、自分を守れるカルテの書き方などの詳しい内容でした。また、日頃使用している言葉が間違えていたことに気づいたり、一つ一つの言葉が裁判に影響するのだと教えていただきました。

2日目は横田誠先生、若松陽子先生、佐藤公則先生に講義していただきました。

横田先生は歯周病、歯周治療について講義していただきました。歯周炎のステージ新分類から横田先生の治療のノウハウまで説明していただきました。ドクターはもちろん、衛生士でも明日から使えるお話でした。少しづつ診療に加えていこうと思う講義でした。

若松先生はインプラント治療に関する法律について、弁護士の視点で講義していただきました。 インプラント事件、紛争の実際の例をもとに、注意点、紛争の予防と解決策を細かくまとめて説明され、改めて注意すべき点が明白となりました。

佐藤先生は耳鼻咽喉科の観点から、インプラント治療に伴う上顎洞合併症の病態と治療について講義されました。普段、医科の先生からの講義はなかなかない事でしたので、とてもためになりました。今後耳鼻科への紹介するタイミング、患者さんへの説明など、より明確なものになりました。

今回で認定講習会が終了しました。8ヶ月間の長期にわたる講習会でしたが、多くの先生方に出会い、様々な知識を得ることができました。また、専門医を取得することなど、今まで考えたことないような目標が新たにできました。それは九州インプラント研究会の考えられたプログラム、豊富な実習、そして何より、一人一人の熱意を持たれた先生方が、私の考えをそうさせました。私の歯科医師人生のターニングポイントと言っていいほどの出来事です。引き続き先生方にはご指導ご鞭撻のほど賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。また、この講習会を支えてくださいました、スタッフの皆様へ、深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。


KIRG 第8回認定講習会を終えて

 

倉永歯科医院(福岡県北九州市) 倉永 洋輔

 

8か月に渡って行われた認定講習会も最後となる2日間でした。これで集大成であると同時に寂しさも積もる思いが致しました。

 

1日目最初は渡邊文彦先生によるインプラント治療の展望についての講義でした。日本の高齢化が急激に進む中で今後のインプラント治療のあり方を考えさせられ、高齢者の10年後、20年後はどのような状況が予想されるのかが重要とのことでした。

 

次に矢島安朝先生によるインプラン治療のトラブルシューティングということで実際に事故が起こった際の対処法などを学びました。『備えあれば患いなし』当院でも事故が起こった際の対処法の訓練や事故を起こさないように事前準備をスタッフ交えてじっくりと行う必要があると感じました。

 

1日目最後は杉山正美先生から実際に医療訴訟を経験されたお話をお聞きすることができました。こうしてリアルな話をお聞きすることは初めてでした。怖いお話でしたがしっかり記録、証拠を残すことの重要性を再確認いたしました。

 

2日目の最初は横田誠先生の人生100年時代の噛める歯周治療学の講義でした。長期にわたる咬合障害は歯根膜も障害だけではなくセメント質障害であるとのことに衝撃を受け大変心に残っております。

 

次に若松陽子先生よりインプラント治療の法ということで講義がありました。インフォームドコンセントの重要性、杉山正美先生の医療訴訟についてのお話と共通して記録を残すことの大切さを知ることができました。

 

最後に佐藤公則先生より口腔インプラント治療に伴う上顎洞合併症の病態と治療についての講義でした。実際の上顎洞炎、上顎洞内迷入インプラントの摘出の動画を拝見することができました。個々の病態に応じて治療の選択を行う必要性があり、自分はまだまだ知識が不十分であり理解を深める必要があると感じました。

 

大変充実した8か月を過ごすことができました。まだ今回の100時間コースでの内容を全て吸収し切れていない自分がいるのは事実でありますので、日々の診療に今回で学んだことを生かすと同時に研鑽していこうと思っております。


2022年度 九州インプラント研究会 認定講習会を終えて

第28期 秋浦 覚視 国立病院機構 嬉野医療センター(佐賀県嬉野市)

まずは、関係者の皆様、同期受講生の皆様、今回の認定講習会を最後までご一緒させていただき、誠に有難うございました。素晴らしい環境で熱の入った学習ができ、心地よい充実感と、新しいスタートの予感を感じています。佐賀で外科を始めて5年余り。一般歯科を志しつつ修行のつもりで入った世界。忙殺される毎日の中でやりがいはあるものの、どこかで満たされない何かを感じていました。目にすることはありながら手を出すきっかけがなかったインプラントの世界。その基礎の基礎を今回の講習会では、ご教示いただきました。基礎から発展的な内容まで幅広く、これから一生をかけて掘り下げていく基盤ができたと感じています。今後研鑽して参ります。皆様、今後とも宜しくお願い申し上げます。


K I R G 28期認定講習会第8回 11月 感想文 東克匡

 

早いもので4月に始まった本講習会も今回で最終回となりました。今回の講義内容はインプラント医療の今後の展望やトラブルシューティング、医療訴訟といったことについてで、インプラント治療を今後行なっていく上で留意しておかなければならないことを数多く学ぶことができ、非常に有意義な内容であったように思います。

 

また、1日目の講義終了後にはフェアウェルパーティーが催され、講師や受講生の先生方と最後に交流し様々なお話をさせていただき、思い出に残る夜になりました。このような会を企画してくださったKIRGの先生方と事務局の方々には、とても感謝しております。今回のKIRG認定講習会で出会った方々との繋がりは、今後も続いていくと思いますし、この出会いが自分の歯科医師人生における財産になったと感じています。

 

KIRG認定講習会では本当に多くのことを学ぶことができました。本講習会を受講する前、私はインプラント治療に対する知識を深め技術を得ようという思いで講習会に臨んでおりました。しかし現在終わってから振り返ってみると、講義、実習の内容は多岐に渡っていることが印象的でした。単にインプラント治療についてのみ学ぶのではなく、インプラントを軸にしながら補綴、保存、外科等の分野を網羅的に学ぶことができました。それだけでなく、患者さんとの向き合い方、医療安全、倫理など、医療人としてのあり方までご教授いただきました。どの講義、実習も、受講生の歯科医師としての成長を促すような深みのある内容だったと思います。

 

講習会が終了して少し時間が経ち、充実感と寂しさを感じようになりました。講師の先生方の講義にて、素晴らしい症例の数々を拝見していると、自分も多くの知識や技術を得た気になってしまいます。しかし伊東会長をはじめKIRGの先生方が、この講習会を修了すればインプラント治療を習得したというわけではなく、ここからがインプラント治療の研鑽の始まりなのだという言葉を仰っておられました。この言葉を胸に刻み、学んだことを復習して日々の臨床に活かしながら、歯科医師として成長できるよう精進していきたいと思います。


2022年度九州インプラント研究会講習会を終えて

第28期 永井伸生 伊東歯科口腔病院

 

まず初めに、多くのスタッフの方々、講師の先生方の尽力により無事に8ヶ月間の講習会を終えることができたことに感謝申し上げます。

私が、KIRGに参加しようと思ったきっかけは、もともとインプラント治療には興味があったものの、体系的に学んだことがなく、ただただやってみたい、という気持ちばかりが先行していたため、一度しっかりと学ぼうと思ったからでした。

毎回自分の中で一つ決めていたことがありました。元々私は人前で喋ることや目立つことが苦手でした。しかし、今回の講習会では、できるだけ質問をしようと決めて臨んでいました。そのおかげかは分かりませんが、講義内容をよりしっかり聞くようにもなった上、積極性が少しは身についたと思います。

全体の講義を通して、正直理解できないことも沢山ありましたが、自分の中で、なぜ抜歯になったのか、それをどう解決していくか、患者さんとどう関係を構築していくか、どうやって治療を進めていけば良いか、なるべく長期に良好な状態を保つにはどうしたら良いか、などなど、以前よりも考えながら日々の診療を行うようになったと思います。また、訴訟などもできれば避けたいですが、避けられないこともあると知りました。カルテ記載や同意書取得の大切さ、何しろ患者さんに寄り添い、信頼関係を構築していくこと、誠実な態度を取ることの大切さをしっかりと学べたことはとても良かったと思います。本格的にインプラント治療を行なっていく前にこのような心構えができたことは、これからの歯科医師人生に必ずプラスになると感じました。

どの講義も思い出深いものがあります。基礎的な知識や最新の知見、豊富な臨床ケースの提示など講師の先生の熱意が伝わってきて、こちらも毎回ついていくのに必死でした。その中で、特に印象に残った講義が2つありました。

1つ目は堀川正先生の講義で出てきた、IVS下でのインプラント治療で、恐怖心が強かったのに、問題なくオペが終了した患者さんからの手紙の紹介のシーンです。自分も昨年歯科麻酔認定医の資格を取ることができましたが、それを将来どのような形で活かせるか、患者さんに還元できるかイメージがあまりついてない状態でした。しかし、堀川先生の講義を聞いて、自分の中での将来像がクリアになり、このような形でやるのもありか、ととても参考になりました。インプラント治療の知識や技術がきちんとしていなければならないのはもちろんですが、その上で、将来自分の強みを活かした診療を行えればと思いました。

2つ目は森永太先生の講義です。その中で、ビデオで紹介されていましたが、故郷に錦を飾るではないですが、しっかりと知識も経験も積んだ先生が故郷に帰り診療をするという姿勢にとても感銘を受けました。患者さんへ寄り添う姿や、高齢化の進む故郷で歯科治療を通して地域に根ざした医療を提供する姿にはとても感動しました。私の地元もかなりの田舎ですので、正直なところ、このまま帰るかどうか迷っていました。しかし、私の地元では歯科医院の後継者がいないために閉院が続いており、また高齢化もどんどん進行しているという現状があり、誰かがやらないと歯科治療を受けられない人が増えて行ってしまいます。私は、この講習会を通して得られた知識や人とのつながりを大切にして、日々研鑽を積み、故郷に戻って地域に根ざした歯科治療を提供できるようにしたいと思いました。インプラント治療も身につけて一つの選択肢として提示できれば、やれることが格段に増えていくと思います。平均寿命の延長から往診での対応も増えていくことが予想されますが、本講習会で学んだことを活かして地域の方々へ貢献できたらと思います。

最後になりますが、8ヶ月間の講習会は終わっても、学ぶのはまだ始まったばかりであると感じています。日々新しい知識や材料、技術などが発表されており、毎日学んでいかなければならないと思ってます。きちんとした医療を患者さんに提供できるよう日々努力していかなければならないと改めて気持ちを引き締め、これからの歯科医師人生を歩んでいきたいです。

これからもご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。


KIRG11月の感想

熊本市サンフラワーデンタルクリニック院長 岡村 俊之

 

1日目

午前は渡邉先生の講義で、咬合などのより臨床の内容で、臨床の話を多くしていただき、大変ためになりました。

午後は矢島先生のインプラントのトラブルに対しての対応などの話でした。トラブルはないれなないに越したことはないのですが、その時に応じた対応などを学びました。

次に杉山先生の話でしたが、少々重い話でしたが、カルテ記載の大切さを学びました。

 

2日目

午前の初めは横田先生の話で、歯根膜、歯周組織の炎症の話で臨床において疑問だったことが解明でき、すごくためになる話だった。

若松先生の話は、実際の症例(判例)に基づく話で、よりリアルな話の内容で今後の治療でのきおつけなければならない所などの、大変ためになる内容でした。

最後に佐藤先生の話で、副鼻腔炎に対しての話で、対応の仕方や耳鼻科の先生でもかなり対応の仕方が異なることを学びました。また、耳鼻科の先生との連携の大切さも学びました。

 

この講習会を通して学んだことは、インプラントをより安全に行うことに対しての基礎、および何かあったときの対応など、幅広く学びました。

またいち歯科医師としての地域への貢献するための姿勢など技術的なことだけでなく、歯科医師としての生きざまも学びました。

今後、治療の技術、知識とともに地域への貢献を踏まえた歯科医師としての在り方も再考させられた素晴らしい講習でした。

渡邉文彦先生の情熱ある講義

熱心な質疑応答

矢島安朝先生の遠隔講義

杉山正美先生の講義

司会進行の森永健三先生・添島義樹先生

フェアウェルパーティー

佐藤公則(耳鼻科)先生の講義

横田誠先生講義

若松弁護士の法制度の講義

対面・遠隔を交えての修了式

受講生代表 岡村俊之先生謝辞

修了証を手に

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