2022年度 認定講習会第1回 報告

2022年度第28期認定講習会 開始について

 

2022年4月より九州インプラント研究会 2022年度 第28期認定講習会が始まりました。

4月16(土)~17(日)、2日間にわたり、無事講習会を終了することができました。

第1回講習会は新型コロナウィルス感染の影響により、講師・受講生の方々もハイブリッド方式で講義・受講していただきました。皆様ご協力ありがとうございました。

このように、今後の状況を見ながら対面と遜色なく、臨場感あふれる講習会を行えるよう、サポートしてまいります。

第1回受講感想を3名の先生方にいただきましたので、ご紹介いたします。

以降、毎月数名の受講生の方々に執筆していただく予定です。

 

九州インプラント研究会(KIRG)

会長 伊東隆利

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2022年度 九州インプラント研究会第1回講習会を終えて

 

第28期 能勢 明 東京女子医科大学附属八千代医療センター 歯科口腔外科

 

2022年4月16日、17日に熊本市国際交流会館にて受講いたしました。

今年も未だに収まらぬコロナ禍であり、関東の私が現地での出席にも不安はありましたが、受講前に出席者のPCR検査の実施や受講生同士十分な距離を保った感染防止対策も取られていたため、安心して受講させていただくことができました。講師の先生方やスタッフの皆様には感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。

 

1日目は九州インプラント研究会の会長である伊東隆利先生の開講式講習会概説から始まりました。九州インプラント研究会の歴史の深さや、九州インプラント研究会に対する想いがとても良く伝わるお話でした。この講習会で終わりではなく、専修医、専門医を目指し生涯学び続けられるようと思えるような概説でありました。

 

松浦正朗先生にはインプラントの歴史、インプラントシステムの種類と表面性状について講義をしていただきました。現在に至るまでのインプラントの表面性状の変化や論文や文献をベースとした講義はとても身になる話ばかりでした。ザイゴマインプラントについてはこの講義を聞くまで存じ上げず、インプラントの歴史の中でさまざまな形状の変化や固定方法など知ることができました。

 

阿部伸一先生にはインプラントのための口腔解剖について講義していただきました。私は医科大学の口腔外科に所属していることもあり、口腔解剖や外科手術をするにあたって気をつけるべきところはある程度知っているつもりでしたが、阿部先生や2日目の原俊浩先生のインプラント手術と直結した局所解剖の講義を聞き目から鱗の知識がたくさんとありました。まだまだ解剖の細かいところまで目がいっておらず、これからの診療は細かい解剖まで気にして治療をしていこうと思いました。

 

1日目の最後は湯浅賢治先生のインプラント診療における画像診断支援について講義していただきました。インプラントのみならず、普段の診療でも十分応用できるような講義でした。画像の陰影を少なくする方法や下顎管の上壁が見えにくい理由などそうだったのかと理解が深まる講義でした。

1日目は朝の9時から18時までという長丁場ではありましたが、どの講義も目から鱗の情報や学生の頃に習った知識の再確認などタメになるお話が多かったため長く感じずあっという間な1日目でありました。

 

2日目の最初は和泉雄一先生の天然歯とインプラントの相違、解剖細菌免疫の講義をしていただきました。やはり歯周とインプラントは切っても切り離せない関係にあると思っており、個人的には歯周治療にも力を入れて勉強しているため今まで勉強してきたことを確認しながら講義を聞くことができました。歯周リスクの高い口腔内にインプラントを埋入しても長期維持の難しさがあるので、口腔衛生管理の重要性を再確認できるような講義でありました。

 

次に1日目に続き伊東隆利先生のインプラントの医療安全について講義をしていただきました。インプラント治療を行うには起こりうる危険性やリスクなどを考慮した上で、患者のみならず、スタッフや自分自身を守っていくことを学びました。

ゴム手袋の捨て方も今までは最後まで口を縛らずに捨てていたので、今後は最後まで口を縛ってから捨てることを意識していこうと思いました。

 

澤瀬隆先生の専門医制度ケースプレゼンテーションの講義では専修医、専門医の取得条件やデータ収集のコツなどを教えていただきました。データなどは一期一会の出会いと思い毎回収集する癖をつけていかなければと思いました。

 

第1回講習会の最後は原俊浩先生のインプラント手術と直結した局所解剖の講義をしていただきました。1日目の阿部伸一先生の講義に加え細かいところまで解剖は意識しなければいけないと実感させられました。立体的に解剖を思い描けるよう日々勉強していこうと思いました。

 

対面で講義を受けることができ、どの先生方も熱心で臨場感あふれる2日間となりました。

まだまだコロナの予断が許されない状況ではありますが、8ヶ月間何事もなく修了できるよう精進してまいりたいと思います。

これから8ヶ月間よろしくお願いいたします。

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第28期 九州インプラント研究会認定講習会第1回 感想

村山暢

 

二日間に渡る大変有意義なご講義を賜りましてありがとうございました。

緊張の中迎えた初日でしたが、講師の先生方には暖かい雰囲気で迎えて頂き、心より感謝申し上げます。

 

1日目

松浦先生の御講義では、学部生の講義ではあまり触れられることの無かった古いインプラントついても詳しく解説いただき、今日のインプラントに至るまでの変遷を知ることができました。阿部先生の御講義では、解剖学の書籍等ではお目にかかることのできない豊富な標本写真と、その詳細な解説により顎顔面解剖の理解をより一層深めることができました。湯浅先生の御講義では、歯科医院では日常業務の一つであるX線写真撮影にあたって、常に線量の最適化を意識すべきであると再認識しました。

 

2日目

和泉先生の御講義では、天然歯とインプラントが炎症を起こした際の病態の相違について理解を深めることができました。またインプラント周囲炎の発症率は8年を過ぎた辺りから急上昇するという事実は興味深い内容でした。埋入後のメンテナンス、埋入前の歯周治療の重要性を再確認しました。伊東先生の御講義では、インプラントを含めた歯科治療の礎である医療安全の重要性について御講義頂きました。技術面の研鑽だけでなく、「医療とは不確実性の高い世界である」ということを常日頃より意識し、医療事故を起こさないための弛まぬ努力を続けねばならないと痛感しました。澤瀬先生の御講義では専修医、専門医取得までの具体的な道のりを示していただき、取得に際しての注意事項等を理解することができました。原先生の御講義は、豊富な標本写真を用いた破格例に関する解説から始まり、インプラントに限らず観血的処置全般に於いて熟知しておかなければならない最重要事項であると感じました。また、審美的な要求のレベルが高い前歯部において、特に抜歯後の頬側骨吸収を予測することの難しさを学びました。

 

この度ご教授いただいた知識、心構えは全てインプラントのみならず歯科医療全般に通ずるものと感じました。

今一度襟を正して、明日からの診療に臨みたいと思います。

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KIRG 第1回認定講習会を終えて

倉永歯科医院(福岡県北九州市) 倉永 洋輔

 

二日間の大変密度の濃い講義内容でした。講義時間だけでは全て吸収することは難しいため復習必須であると感じました。

 

1日目は初めに伊東隆利先生より開講式(講習会概要)でした。COVID-19が猛威を振るう中、認定講習会を開催に向けて尽力頂いた先生方、スタッフの皆様に感謝です。これからの100時間講習では緊張感を持って取り組んでいきたいと思いました。

 

次に、松浦正郎先生よりインプラントの歴史・インプラントシステムの種類と表面性状の講義でした。インプラントの歴史が浅い中、ここまで発展を遂げていることに驚きでした。チタンアレルギーの存在も疑われているとのこと、またインプラントの成功率の向上に向けてここからさらに進化を遂げるべき分野であり、我々歯科医師もその進化に伴い知識、技術を高めていく必要があると感じました。

 

午後は阿部伸一先生よりインプラントのための口腔解剖学の講義でした。恥ずかしながら解剖学的な知識が曖昧であったため、再度学び直させていただきました。歯牙喪失後の個々の組織の位置変化についても学ぶことができ、大変勉強になりました。

 

1日目最後は湯浅賢治先生よりインプラント診療における画像診断支援の講義でした。福岡歯科大学で湯浅先生にはお世話になり、今回の講義を受けて学生時代を懐かしく感じました。楽しく分かり易く講義をしていただき画像診断学について、いっそう理解を深めることができました。

 

2日目は初めに和泉雄一先生より天然歯とインプラントの相違についての講義でした。解剖学的な相違から天然歯と比較してインプラントはプラークに対する抵抗力が弱いということを念頭において、歯周治療を行うこととプラークコントロールの重要性について再認識することができました。

 

次に伊東隆利先生よりインプラントの医療安全の講義でした。医療を行う上で、いつも危険と隣り合わせであることを再確認できました。コロナ禍により医療現場以外での衛生観念が高まる中で、医療人である我々はより一層衛生管理、医療安全に気を配る必要があると思いました。また、プチ実習で行った、グローブの廃棄方法も実践していこうと思います。

 

午後は澤瀬隆先生による専門医制度についての講義でした。ケースプレゼンテーションにおいて必要なことを細かくお話しいただき、また認定制度の流れについても理解することができました。

 

2日目最後は原俊浩先生よりインプラント手術と直結した局所解剖の講義でした。実際に起きたインプラントの事故の症例や原先生の症例を写真や動画を交えて拝見させて頂きました。1日目の阿部先生の解剖学についての講義とリンクしていたので、よりダイレクトに理解を深めることができました。

 

大変実りある2日間でした。また、ここで出会うことができた先生方との関りを大切により研鑽していきたいと思います。

松浦正朗先生の対面講義

阿部伸一先生の東京から遠隔講義

湯浅賢治先生 対面講義

和泉雄一先生 東京より遠隔講義

熱心な質疑応答

永井省二先生・小笠原一行先生(KIRG正会員)司会進行

原俊浩・澤瀬隆先生(KIRG正会員)司会進行

伊東隆利 会長による創立者 故 添島義和先生の紹介

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