2026年度第32期認定講習会 第3回感想

KIRG第3回認定講習会 受講感想
32期 山邉みな 山辺歯科医院(長崎県長崎市)

「口腔インプラント埋入手術のリスクマネージメント 麻酔と全身管理、救命応急処置」
福田謙一先生
今回の講義を受講し、口腔インプラント治療では術式だけでなく、偶発症を予防し、発生時に迅速かつ適切に対応できる知識と技術が重要であることを改めて学びました。特に、生体モニターによるバイタルサインの継続的な観察や、患者の全身状態を把握した上で治療を進めることの重要性を再認識しました。また、偶発症は全身疾患を有する患者だけでなく、若年者や一見健康そうに見える患者にも起こり得るため、常に緊急時を想定した準備とスタッフ間での連携が必要であると感じました。実習では静脈路確保を体験し、緊急時の対応を具体的にイメージすることができました。今回学んだ内容を今後の臨床に活かし、安全で安心なインプラント治療を提供できるよう努めたいと思います。

「ガイドからナビゲーション・ロボット」
竹下文隆先生
今回の講義では、安全なインプラント埋入を行うための術前診査やシミュレーションの重要性について学びました。特に、CT画像を用いて解剖学的構造を十分に把握し、適切な埋入位置や方向を事前に検討することが、安全性の向上や偶発症の予防につながることを改めて理解しました。また、サージカルガイドやナビゲーションシステムなどのデジタル技術の発展により、従来よりも精度の高いインプラント治療が可能となっていることを知り、大変興味深く感じました。一方で、どれほど機器が進歩しても、それらを適切に活用するためには術者自身が解剖学的知識や画像診断能力を十分に身につけていることが不可欠であると感じました。今回学んだ内容を今後の臨床に活かし、安全性を最優先に考えた治療を心掛けていきたいと思います。

「口腔内写真およびIOS項目」
佐藤隆太先生
今回の講義では、規格性のある口腔内写真の撮影方法とデジタル一眼レフカメラの基本について学びました。口腔内写真は診療記録としてだけでなく、治療前後の比較や経過観察、患者への説明を行う上でも重要な資料であることを改めて認識しました。また、絞り・シャッタースピード・ISO感度といったカメラの基本設定についても理解を深めることができ、これまで何となく設定していた項目にもそれぞれ明確な役割があることを学びました。さらに、規格性を保って撮影することで、長期的な比較や客観的な評価が容易になることを理解しました。今後は撮影時の条件を意識しながら、誰が撮影しても質の高い口腔内写真を記録できるよう心掛け、日々の臨床に役立てていきたいと思います。

「インプラントの治療に必要な咬合の知識」
永井省二先生
今回の講義では、インプラント補綴における咬合の考え方や、天然歯との関係について学びました。天然歯とインプラントでは支持様式や荷重に対する反応が異なるため、それぞれの特性を理解した上で咬合を付与することが重要であると感じました。また、天然歯とインプラントの連結については、それぞれの利点や問題点を踏まえ、症例ごとに慎重な判断が必要であることを学びました。さらに、咬合理論や下顎位の歴史的な変遷についてもご講義いただき、現在の考え方がどのような経緯で確立されてきたのかを理解することができました。日常臨床では咬合を感覚的に捉えてしまうこともありますが、今回の講義を通して根拠に基づいて診査・診断を行い、患者ごとに最適な咬合を構築することの重要性を改めて認識しました。

「静脈内鎮静法の理論と実際」
堀川正先生
今回の講義では、静脈内鎮静法の適応や実際の流れ、使用薬剤の特徴について学びました。歯科治療に対して強い不安や緊張を抱える患者では、精神的ストレスが全身状態に影響を及ぼし、偶発症につながる可能性があることを改めて理解しました。そのため、安全に治療を行うためには、患者の状態を適切に評価し、必要に応じて静脈内鎮静法を選択することが重要であると感じました。また、鎮静中は血圧やSpO2などのバイタルサインを継続的に監視し、異常の早期発見に努めることの重要性も学ぶことができました。今回の講義を通して、薬剤の作用や偶発症への対応についてさらに知識を深め、安全管理を徹底した上で臨床に臨む姿勢が大切であると感じました。

「各種インプラントの臨床」
飯島俊一先生
今回の講義では、さまざまなインプラントシステムの特徴や、それぞれの利点を活かした臨床応用について学びました。インプラントには形態や表面性状、固定機構などに違いがあり、それぞれの特性を理解した上で症例に応じて適切に選択することが治療成績の向上につながることを学びました。また、インプラント周囲炎や機械的トラブルを予防するためには、骨量や骨質、軟組織の状態を十分に評価し、適切なインプラントを選択することが重要であると感じました。さらに、ITインプラントの開発に携わられた先生ご自身の豊富な症例をもとにしたご講義は非常に説得力があり、実際の臨床でどのように考え、治療方針を決定しているのかを具体的に学ぶことができました。長期経過を含めた多くの症例を拝見し、インプラント治療には確かな知識と経験に基づいた診断・治療計画が重要であることを改めて実感しました。

「保護膜・骨補填剤の現状」
西村正宏先生
今回の講義では、骨増生に用いられるさまざまな材料や術式について体系的に学ぶことができました。自家骨移植の利点だけでなく、採骨に伴う侵襲やリスクについても理解を深めることができ、骨補填材や遮断膜はそれぞれの特徴を理解した上で適切に選択することの重要性を学びました。また、成長因子や血液濃縮液、細胞治療など再生医療の発展についても大変興味深く拝聴しました。特に、培養した骨関連細胞をシート状にして移植部位を包み込むという再生医療のアプローチは非常に独創的で、骨再生の可能性を大きく広げる技術であると感じました。私は再生分野の研究に興味があるため、基礎研究が新たな治療法へと発展していく過程を知ることができ、大変印象に残る講義でした。今後も再生医療に関する知識を深め、臨床への応用について理解を深めていきたいと思います。

今回の講義でも多くのことを学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。学んだ内容をしっかり復習し、今後の臨床や研究に活かしていきたいと思います。今後の講義も楽しみにしておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。


KIRG第3回認定講習会 受講感想文
第32期 中山 翔太 (関歯科医院 熊本県熊本市)

(福田先生)
インプラント埋入手術に関する全身管理、疼痛管理ならびに緊急時の対応についてご教授頂いた。
基礎疾患のコントロールが不良であったり予備力の低い患者は、バイタル異常のリスクが高く、治療に入る前に既往歴の確認やコントロール状態を把握しておくことの大切さを改めて学んだ。
ショック症状等、緊急時には速やかな対応が求められるため、緊急時の対応をフローチャート化し常日頃からスタッフ間で共有しておくことも必要だと感じた。

(竹下先生)
サージカルガイドとシミュレーションに関してご教授頂いた。
CTが普及する以前は金属マーカーとX線写真を組み合わせて解剖学的構造物から
の距離を測定していたとのことであった。
CTや光学印象を用いて、3次元的な評価が可能な現代は臨床を行う上で非常に恵まれた環境であると感じさせられた。
現在では、手術中にドリルの位置をリアルタイムで追跡するナビゲーションシステムも実用化されているとのことであったので、今後はそういったものにも触れる機会を持ちたいと思う。

(佐藤先生)
口腔内写真撮影についてご教授頂いた。
撮影時に押さえておくポイントを分かりやすくまとめて頂いたので、診療の中で意識するようにしたいと思う。
カメラの設定については、露出は絞り(f値)、シャッタースピード、ISO感度の3要素から成り、適切な設定で撮影を行うことが大切である。
カメラの種類によっては良くも悪くも自動補正機能が働くものもある。そのため経時的に症例を追っていくにあたって規格化された写真を撮るためには、撮影方法だけではなく、使用しているカメラについても理解を深めておかないといけないと感じた。

(永井先生)
インプラントに必要な咬合の基礎知識についてご教授頂いた。
様々な咬合理論を供覧して頂き分かりやすく解説して頂いた。咬合理論の多くに共通しているのは
①咬合平面が揃っている②アーチが左右対称③中心位において全ての歯が一度に接触する④臼歯離開 ということ。
長期的に安定した咬合を得るためには、総合的な視野から下顎位の評価を行い、咀嚼しやすい咬頭嵌合を付与し左右対称でバランスの良い咀嚼機能を維持することが大切であることが良く分かった。

(堀川先生)
静脈内鎮静法についてご教授頂いた。
処置時間が長くなればなるほど、患者の肉体的•精神的負担は大きく、円滑で快適に治療を進めるのに静脈内鎮静法は非常に有用な方法である。
静脈路確保の手間と呼吸管理が必要ということにハードルを感じていたが、適切な使用を行えば過鎮静になることはほとんどないとのことであった。特にミダゾラムは半減期も短く調整性も良いとのことであったので、今後の診療に取り入れていけたらと思う。

(飯島先生)
各種インプラントの特徴と、それらの臨床成果についてご教授頂いた。
インプラント周囲炎のリスク因子としては
マイクロギャップやスクリューの緩み、フレッティング、太い粘膜貫通部等がある。
これらの問題点を解決したITインプラントは粘膜貫通部が細く、エクスターナルテーパーロックでフレッティングも生じにくいということであった。初めて目にしたインプラントでとても興味深い内容であった。

(西村先生)
遮蔽膜と骨補填材についてご教授頂いた。
国内で販売されている材料だけでも様々な種類の製品があり、吸収性の有無や賦形性があるか、操作性の良し悪しなど症例に応じて適切な製品を使用することが大切であると感じた。
また、用途の似た材料でも歯科適用ではあるがインプラント処置に認可されていない製品もあるということ。
手技の研鑽も勿論大切ではあるが、添付文書もよく確認し、適切な製品を選択するようにしたいと思う。

福田謙一先生講義

点滴実習

 

竹下文隆先生講義

活発な質疑応答タイム

佐藤隆太先生講義

永井省二先生講義

堀川正先生講義

飯島俊一先生講義

西村正宏先生講義

関連記事