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平成30年度 公益社団法人日本口腔インプラント学会 認定講習会第5回 報告

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KIRG 8月 感想文 鶴岡祥子

現在、私は三瀬村という山間部の診療所に勤務しています。去年までは医学部付属病院口腔外科に所属していました。大学を卒業して以来、補綴専門の先生から補綴に関わる講義を受けたことはありませんでしたが、この講習会を受けていくうちに、私のインプラント治療に対する考えはほぼ180度変わりました。外科、補綴、審美、様々な要素が含まれる治療であり、何より患者さんは特に最終的な仕上がりである咬合、審美、耐久性、いずれも要求するため、可能な限りその希望に寄せる必要があります。そのためには、補綴の知識、審美歯科の知識や手技を習得することはもちろん、治療計画や設計、リスクの予測など、あらゆる方向に対して入念な準備を行い、患者が納得するまで説明を行い、治療に臨むべきだということを学びました。

診療所には高齢の方が多数受診されますが、最近よく思うのは、いわゆるオーラルフレイルが疑われる患者さんが増えており、さらに、認知面や身体的なフレイルが疑われる場合があるということです。オーラルフレイルから全身のフレイルへ移行していくという経過を、実際に患者さんをみて思い知らされています。講義でもありましたが、平均寿命が延びている現在、フレイルを有する患者さんは増加すると考えられるため、歯科医師は必然的に、インプラント治療を含め、患者さんが老いていくことを想定して歯科治療を行う必要があると私も感じています。可能であれば、フレイル予防のために、インプラントなどによる咬合回復を行い、口腔機能の向上に寄与できれば幸いだと思います。私はまだインプラント治療はほとんど経験ありませんが、これまでの講義や実習を通して、咬合安定のためのインプラント治療の重要性を認識しました。今後、インプラント治療に臨む際は、インプラントを行うことだけにとらわれるのではなく、患者さんの全体的な要素にも注目して取り組んでいきたいと考えています。

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KIRG8月の講習会を終えて

24期  藤原 崇

心配していた台風も過ぎ去り、吹き返しの風が涼しく、日差しで暑さもある中での受講となりました。今回もたくさんの知識や技術を学ばせていただきました。

前回受講後から台風や地震など天災が続いていますが、このようにKIRGで勉強させていただけることを幸せに思いますと共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

初日、最初は添島義樹先生の、ストローマンのインプラントについて、その中でもボーンレベルについてご教授くださいました。非常に分かりやすい説明で、毎回思いますが、分かっているようでわかっていない基礎知識がまだまだあるのだと、改めて繰り返し勉強していかないといけないことを実感致します。18年たってガムがリセッションしてきた症例を見させていただき、長、中期的な予後も推察しながら、診断、治療しないといけないと感じました。他のセミナーと違い、チャンピオン症例を見させていただくだけではなく、問題の起きた症例を出してくださり、こうならないためにどうしたらよいのかご教授頂けるのは、本当に貴重な機会であり、KIRG、各先生方の懐の深さだと感じます。

次に、加来敏男先生の講義でした。ガイデッドサージェリーやCARESのシステムについて、実際の患者様のガイドを作成しながら講義をしてくださり、イメージもしやすく、詳細まで説明してくださり、角化歯肉に造影ペーストを塗る方法は画期的で、治療精度を高める素晴らしい方法だと感じました。その反面、遊離端でのたわみなど、症例の選択、計画はよく理解したうえで使用しないといけないと感じました。

午後は、田中秀樹先生でした。審美領域をシビアに考えたティッシュマネージメントはとても参考になりました。私は、ついつい硬組織や神経、上顎洞などばかりに目が行ってしまっていたので、ティッシュマネージメントもさらに勉強をしていかないといけないと感じました。フルマウスの難症例を咬合もふまえながら治療する計画や診断はとても勉強になりました。

午後の後半は、児玉利朗先生はソッケトプリザベーション、ソケットマネージメントについて講義していただきました。恥ずかしながら、普段あまり深く考えずEXTしていました。欠損補綴も考慮するため、どのようにEXTを考えていけばよいか、わかりやすい分類で、どのケースではどのように治療すべきか、非常に理解がしやすかったです。

2日目午前は、武田先生の、力学、咬合を考えた、中、長期症例の考え方、診断、インプラントのリスクについての講義でした。武田先生の講演は他の機会でも拝聴したことがございますが、いつも心に刺さる、切れ味抜群のお話でした。それだけ真剣に歯科界や患者様の将来を考えてらっしゃっていて見習わないといけないと感じます。長期症例は患者様が亡くなられるまでとおっしゃていたのは、言われてみればその通りで、本来我々は患者様の口腔内を生涯にわたり、ケアしていかなければならない仕事なのだと再認識できました。

午後は、飯島俊一先生のストローマンの講義と実習でした。ストローマンの歴史から、実技まで、3時間でストローマンが使えるようになりますとおっしゃっていたように、診断、オペ実習、2次オペ、補綴、メンテナンスと、とても内容が濃かったです。Dr.シリーの自家骨移植など飯島先生でなければ聞けない内容もあり、貴重な講義でした。

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KIRG100時間コースを再受講して

熊本県菊池市

髙木公康

私がインプラント100時間コースを受講したのが平成9年ですのでもう20年近くの歳月が流れています。当時、私の認識としては抜歯即時埋入?不確実な処置ですね~!リッジオーグメインテイション?骨が無けりゃブリッジかデンチャーでしょ!プラットホームスイッチング?何ですか、それ?の世界でした。

時は流れ・・・これらの処置が患者様のQOLを満足させる標準的な治療として認知されてきた昨今、一度系統だった勉強をしたいな、と思っていた矢先にKIRGからそれぞれの分野の第一人者の講師陣を配した再受講の案内を頂き、即申込みました。

午前中は林揚春先生による「抜歯即時埋入、即時荷重の臨床」。朝から目が覚めるような林節炸裂の講義でした。たくさんの症例から、抜歯後の骨の形態の予測診断、適応症、インプラントの埋入ポジション、骨補填材の種類や使い分けを学ぶことができ、抜歯即時埋入=トリッキーな処置だという先入観を払拭することができました。

午後からは勝山英明先生による「リッジオーグメインテイション・審美的部位へのアプローチ」の講義でした。ITIトリートメントガイドの発刊に関わられた先生ならではの国際的視点からのオーセンティックな内容で、インプラント治療はやり直しが難しい治療だからこそ、リッジオーグメインテイション等による術前の環境整備が必要であるということを痛感しました。余談になりますが現代の世界経済を反映し中国のインプラント需要が急速に増えており、日本は大きく水をあけられているそうです。また世界の臨床を牽引する若い歯科医師も中国がメキメキ頭角を現してきているというエピソードが印象に残りました。現在、KIRGは日本口腔インプラント学会の指導医16名、専門医は96名、専修医を65名輩出されているそうですので、是非KIRGから世界に羽ばたくインプラントロジストが育ってくれれば良いな、と思いを馳せながら帰路につきました。

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818,19日 日本口腔インプラント学会認定講習会感想文

                  鎌田歯科クリニック  鎌田 政彦

818,19日は第5回の日本口腔インプラント学会認定講習会でした。

今回の講師は添島義樹先生、加来敏男先生、田中秀樹先生、児玉利朗先生、武田孝之先生、飯島俊一先生でした。

錚々たる先生方ですがこれまでの講義や懇親会を通して個別にお話しさせていただける機会があるのもこの講習会の良いところだと思います。

今回の2日間の講義は

ボーンレベルとティッシュレベル、エクスターナルとインターナルの比較等の基本的な部分から始まりました。

改めて講義を受けると、自分では理解していたつもりだった部分もより理解が深まり、少し間違った解釈をしていたところにも気付きました。

基本的な部分を学べる機会はなかなかないので良い復習もできました。

また、インプラントに関してもは続々と新しい材料が出てきているため、それらの利点・欠点も知ることができ、今後の材料選びの参考にしていきたいと思います。

ガイドサージェリーについては私自身も導入を検討しているところだったので非常に興味深い内容でした。強く感じたのは、機械に任せっきりにするのではなくその原理をしっかりと理解し使いこなすことの大切さです。便利なシステムであるのは間違いありませんが過信しすぎると思わぬトラブルを引き起こす危険性もあると感じました。

仕組みを理解し効果的に活用できるようそれぞれのシステムを十分理解して使っていきたいと思います。

インプラントの審美に関しては移植片を置く位置や血流を考慮した切開線について学ぶことができました。実際の動画も拝見しましたが手技の丁寧さやスピードには驚きました。ただ噛めるだけではなく審美的に補綴できるかどうかは今後さらに患者さんから求められる部分ではないかと思います。

ソケットマネージメントの講義では抜歯後に生体内で起こっている治癒の成り立ちについて学び、それを考慮したテルプラグの有効な使い方を知ることができました。これにより無駄なオペを減らせるケースが多々あるのではないかと感じました。オペを減らすことができれば患者さんにとっては大きなメリットになります。患者さんの立場に立った医療を提供することを忘れずに日々の診療に取り組んでいきたいと思います。

また、インプラントの手技だけでなくその前の審査や診断についての講義が多いのもこの講習会の特徴だと思います。なぜこの患者さんが今の病態になったのかを考えることが大切だと仰っていました。普段の診療でそこが抜けてしまうと後でどんなに良い治療をしたとしてもいい結果につながらないことは明らかです。インプラントは残っている天然歯を守ることもでき、義歯の支えに使うこともできる非常に良い治療法ですが口腔内が崩壊した原因を改善できるわけではないという言葉が印象に残りました。BP剤のガイドラインについても自分の認識と少し異なる点があり勉強になりました。

インプラントを長期安定させるために避けて通れない咬合調整に関しての勘所も詳しく聞くことができました。インプラントの仮着に関しても今までに使っていた材料よりもさらに容易で安価な材料を教えていただけたのも良かったです。

全体を通して、先生方の成功症例でなく、失敗したことについても包み隠さず話していただけるのでそれを今後の診療に生かしながら先生方の診療に早く近づけるように精進していきたいと思います。

 

 

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