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平成30年度 公益社団法人日本口腔インプラント学会 認定講習会第3回 報告

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第24回 日本口腔インプラント学会 認定講習会                          瀬戸 雄行

平成30年6月23日(土)

1限目 インフォームドコンセント:阿部成善先生

「医は仁ならざるの術、務めて仁をなさんと欲す」という、大江雲沢の言葉から講義がはじまった。私自身、最初治療計画を説明するにあたって、治療のプラス面、マイナス面を説明して治療を行なってきたが、気がつくと、治療をしないという新たな選択肢も設けていた。講義の中で、診療に関する意思決定を患者本人に参加させる。患者を惜しまず褒める、避けずに共感する、良く話し合いをするなど、トラブルにならない為の危機管理を学んだ。また心理学的に、ロバート・ザイアス(米国の心理学者)の、知らない人に対しては攻撃的な態度をとる、接触回数が多いほど親しみを感じる、相手の人間的な側面が見えると感情が深まるなど、コミュニケーションテクニック、AIDMAの法則(米国、ローランド・ホール)である

Attention (注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action (行動)

これらの消費行動の仮説も現在はAISASに変わり、Search ,Shareが新たに加わって、現在はDual AISASになっている。

ネット社会において患者は、期待して来院する。期待を裏切らない事は大切だか、生活習慣が乱れている人には、期待させない事も重要で、その方が成功した時の患者の満足度も増すという事。現状に満足は、後退の始まりである、常に緊張感を持つ事という先生の言葉に大変共感出来た。

2限目 インプラント治療計画:澤瀬 隆先生

先ず、インプラントの治療はプラスの治療が出来ることが最大のメリットであるとともに、インプラントを植立する事は病気をつくる事という言葉が印象的だった。

インプラント植立にあたり、患者の生活習慣や、病歴、骨の硬さ、咬合状態そして、補綴を考えてインプラントを植立する事の重要性を学んだ。歯を無くしたのが、カリエスなのか、ペリオなのかも、後のインプラントの結果を左右するものと、日本人の死亡年齢最頻値が90歳である事からも、長期に渡るインプラント治療計画の必要性が重要だと考えた。

3限目 インプラント治療に必要な咬合の基礎知識:永井省二先生

高齢化が進む現代社会で、いかにして、補綴を維持するかが大切になる、いかに咬合力を逃して、全身のバランスと咀嚼サイクルの健全化を図る事の大切さ、難しさ、ポスチャーやブラキサーなどにどの様対応していくのかを学んだ。

 

平成30年6月24日(土)

口腔外科手術の知識と実技:香月 武先生

1)手術用の器具と機材

メス、ハサミの説明とその取り扱い方、縫合針、持針器の説明とその取り扱い方

2)滅菌法と消毒法

滅菌法の種類と特徴、消毒法の種類と特徴

3)切開法

粘膜弁、粘膜骨膜弁の種類、切開のデザイン

4)弁の剥離法

5)縫合と止血法

以上の講義の後に豚を使っての実習が行われた。

1)手術の準備

ウォーターレス法による手洗い、ガウンの着方、手袋のはめ方、シーツの掛け方、用手法による糸結び、鉗子法による糸結び

2)豚の下顎骨を使っての手術手技

各種弁の設計と剥離の練習、弁の縫合と各種糸結びの練習

香月先生のミャンマーでのボランティア活動で、材料と時間が無い中で、いかに自らのベストを尽くすかという事が印象的でした。先生の豚の上顎骨を使って上顎洞、上顎洞底膜の説明、プラトンジャパンの協賛による、ボーンレベルインプラントの豚骨への埋入実習と盛りだくさんでの実習で、6月の講義は終了。

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第24期九州インプラント研究会認定講習会第3回を終えて

第24期受講生 りゅうたろう歯科クリニック 山中龍太郎

先日第3回九州インプラント研究会認定講習会第3回が終了しました。受講生同士も会を重ねるごとにコミュニケーションが増え、また気さくに話しかけてくださる講師陣の先生のおかげもありとてもいい雰囲気で学ぶ環境となっています。

初日の1時間目は阿部成善先生による『インフォームドコンセント』でした。

医療を行う者にとって非常に大切なインフォームドコンセント。わかっているようで奥深く、高齢社会の中で様々な疾患を抱えた患者さんが増えてきた今日において非常に大切なことと再認識しました。また、万全の体制で行う質の高いインフォームドコンセントは患者さんの信頼はもちろんモチベーションが向上することにもつながると感じました。

次に澤瀬隆先生による『インプラントの治療計画』でした。

インプラント治療計画における局所因子の診察、検査について分類を交えながら講義していただきました。その中でも澤瀬先生ご自身の研究結果と共に骨質について講義していただきとても勉強になりました。荷重を加えた骨の変化の研究結果は骨に対する荷重の検査として未来を感じることができる内容であり、澤瀬先生の研究者としての高い情熱を感じることができました。

初日最後は永井省二先生による『インプラント治療に必要な咬合の基礎知識』についてでした。

顎位の決定方法の様々な分類を解説していただき、多くの顎位決定の分類を参考にするがとらわれず、患者固有の顎位の決定方法の方向性を示していただきました。ご自身の症例を多数提示し、やはり診察、検査が大切であることを治療結果とともに解説していただきました。

二日目は香月武先生による『口腔外科手術の知識と実技』でした。

一日をかけて手洗いから切開、剥離、縫合と豚を使った実習を中心に行いました。一つ一つの手技に意味があることをわかりやすく時にユーモアを交え講義、実演していただきま した。 香月先生のご高名は耳にしていましたが、やはり日本の歯科医療の歴史の中で口腔外科医として 長きにわたり第一線でご活躍さてている方の話を生で聴けることは貴重な経験となりました。 書籍や学会では感じることのできない人間味を感じることができ、有意義な時間を過ごすことができました。

次回以降も多くの講師の先生のお話を聞けることを楽しみにしつつしっかりと学んだことを患者さんに還元できるよう日々精進してまいります。

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