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月刊「日本歯科評論」2016年6月号にKIRG学術講演会の記事が掲載されました

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2016年3月26,27日に福岡国際会議場にて, 九州インプラント研究会(以下KIRG:伊東 隆利会長)30周年記念学術講演会が開催された. メインタイトルは『KIRG30年のインプラント治療から見えてきた新たな展望 –新世代への挑戦- 』
故添島義和元会長と末次恒夫名誉教授が中心となって発足したKIRGのインプラント治療への取り組みから今後の展望にわたる充実したプログラムであった。
シンポジウム1 伊東隆利 後藤昌昭
シンポジウム2 和泉雄一 児玉利朗 松井孝道
シンポジウム3 加来敏男 西村正宏 飯島俊一
シンポジウム4 澤瀬隆 堀川正 添島義樹
Next Generation session 土屋嘉都彦 原俊浩 佐藤隆太 森永大作
特別講演 インプラントテクノロジーの最前線を語る Dr. D.Snetivy

【1日目】
 KIRG30年の歩みと現正会員紹介をまとめたオープニングビデオに始まり, 阿部成善先生の開会の辞、伊東隆利会長のご挨拶、来賓の渡邉文彦先生と古谷野潔先生のご挨拶をいただき、メインプログラムが始まった。
シンポジウム1では医療安全の観点からみた医療スタッフが働きやすい職場づくりのためのチェック項目を具体的に提案され、医療倫理を遵守するための設備環境とインプラント治療を取り巻く法整備についての現状を伺った。シンポジウム2では歯周病原因菌とインプラント周囲炎原因菌の違いについての本邦初公開の研究データを含めて知識の整理ができ、歯肉歯槽粘膜形成術の長期経過やインプラント周囲炎に対するSPTと累積的防御療法の有用性についてまとめられた。また松井孝道先生が考案されたβ-TCPパウダーを用いる手法を含む、様々なインプラント周囲炎の治療術後評価やインプラント周囲炎の周囲肉芽に腐食したチタンが存在する可能性などは今後の研究課題としても興味深かった。シンポジウム3では先進的なトピックスであるデジタルインプラントデンティストリー、骨再生治療の基礎と今後の展望、飯島俊一先生が開発された長期成功のための新しいインプラントなど、新しいトピックスに対し多くの意見交換がなされた。
【2日目】
シンポジウム4は今回のメインとも言えるKIRG会員の25年以上を経過したインプラントの統計調査である。25年経過したインプラントの生存率は約85%であり、脱落の主な原因はインプラント周囲炎であった。インプラント周囲炎の罹患率は1年に1%ずつ累積的に高くなり、25年の経過では25%、罹患後は半数が除去・脱落に至り、その平均期間は7.6年であった。25年前は天然歯とインプラントの連結した症例も26%程あり、長期経過の中では撤去と追加により適応するケースもあるが、比較的良好な経過を追っている。また上部構造装着後20年以上を経過した患者さんのアンケート調査では、70代、80代となった患者さんの75%がなんでも噛めると回答し、自立した生活を送れる患者さんの割合も70代で92%、80代で78%であったことから、インプラント治療との関連性をさらに調査したいとした。プログラムは若手正会員の思いへと進み、海外招待演者であるSnetivy博士が最新インプラントテクノロジーを語られ、盛会のうちに幕を閉じた。
例年行われるKIRG学術大会同様、研修会員による模擬ケースプレゼンテーション試験や有志プレゼンターによるポスターセッション、衛生士部会と技工士部会があり、KIRGに興味を持たれた歯科スタッフ全員に貢献できる内容であった。
(九州インプラント研究会 会員 佐藤隆太先生 寄稿)
“月刊「日本歯科評論」2016年6月号からの転載”

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