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KIRG 会長あいさつ

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KIRG30年の歩みとこれから

会長 伊東隆利

  1. KIRGのこれまで

九州インプラント研究会(Kyushu Implant Research Group KIRG)は、1985年に故添島義和先生と末次恒夫先生(元九州大学歯学部長)が中心となって臨床家と研究者(九州大学、長崎大学、鹿児島大学、東京医科歯科大学、福岡歯科大学)が一体となったグループとして、全国でも、数少ない存在としてスタートしましたので、2017年には32年を迎えることとなりました。添島義和先生は、スタディクラブがドグマに陥ることなく、より科学的な中庸な研究会を目指され、今日までその精神は受け継がれています。

この間会員のケースプレゼンテーションを中心として例会、海外文献の抄読会、定期学術講演会、日本口腔インプラント学会をはじめ、関連学会への出席、発表を行ってきました。また10年ごとの節目の年には、臨床的な疫学調査を行い、公に発表して参りました。

1995年からは日本口腔インプラント学会指定研修施設として、所謂100時間コースを開講し、これまでに23期生まで延500名の研修修了者を世に送り出し、この中から指導医7名、専門医80名、専修医73名が輩出しています。

 

  1. 30周年記念行事報告

2015年は30周年の年にあたり、阿部成善、森永太、澤瀬隆副大会長、松井孝道実行委員長、土屋直行準備委員長の下に、記念学術講演会が2016年3月26、27日、福岡国際会議場で開催されました。メインテーマとして「KIRG30年のインプラント治療から見えてきた新たな展望」として

①今求められるインプラントの医療安全とは?

②インプラント周囲炎の基礎と臨床

③インプラント最新技術の検証

④25年以上経過観察したインプラント症例から見えてきたこと の4つのシンポジウムが企画されました。

特に今回の疫学研究は堀川正先生が中心となって膨大な資料を収集・整理し、長崎大学澤瀬教授の分析により、マルチセンタースタディが出来ました。観察期間が25年以上と長く、症例数も多く、まだ世界的にもこれだけの研究はないと言われています。この結果は2017年に公益社団法人日本口腔インプラント学会と、ドイツ口腔インプラント学会が共同で出版する国際誌International Journal of Implant Dentistry(IJID)3:42 , 2017に投稿されています。

特別講演としては、現代のインプラントの表面構造SLAの開発の世界的権威者であるDr. Daniel Snetivy先生に、「インプラントテクノロジーの最前線を語る」と題して、判りやすく最先端のお話を頂きました。

他に、若手会員によるNext generation Session、ポスター発表、模擬ケースプレゼンテーション、歯科衛生士セッション、歯科技工士セッション、企業展示を行いました。

どの会場も満員で、質疑応答も盛んで座長は時間を合わせるのに苦労するほどでした。

ご来賓としてお見えいただいた渡辺文彦日本口腔院インプラント学会理事長には、「これまでのKIRGの歩みは、臨床と研究、臨床家と研究者が一体となったグループで、本学会では各会員が発表者となり、研修施設として多くの認証医、専門医を輩出し、まさしく研修施設として、研究会として最も理想的存在」の言葉をいただきました。

古谷野潔 九州支部長(九州大学教授)には「2007年の第37回全国の学術大会総会」を始め、佐賀県、大分県、熊本県、宮崎県での九州支部大会をKIRG会員が主管しており、九州支部の学術活動になくてはならない」の言葉をいただきました。

懇親会には、日本インプラント界の代表者である小宮山弥太郎先生に、故添島先生との想い出、心温まるKIRGへの言葉をいただき、身の引き締まる思いでした。ご来賓として全国から学会指定研修施設の代表の先生方にご出席いただき感謝申し上げます。

2日目のすべてのプログラムが終わって、「御苦労さん会」を20年間の受講生アルバム写真の前でビールで乾杯し、祝いました。

どの会員の顔も、充実感にあふれ、喜びに満ちて散会しました。2年間に及ぶ準備期間中、協力いただいた会員診療所のスタッフ、ご家族、JTBスタッフに感謝いたします。

 

  1. 熊本地震と第22期講習会

30周年の成功の興奮さめやらない2016年4月14日前震、4月16日本震と、熊本地区は大地震に見舞われました。ライフラインは寸断され、交通もしばらくは麻痺状態、震度6~4の余震もつづくことから、目の前の4月16、17日100時間コース第1回を、4月15日には急遽中止、延期を呼びかけ、協力を得ました。いつも会場として使用させてもらっている添島歯科のデンタルフォーラムが地震の影響で使用不可となりました。それからが大変で、いつからどこで開始するか?いろいろな議論の中で、余震の収まり具合を見ながら、5月21、22日伊東歯科口腔病院会議室で、と決断。

しかしながら、やっている途中に地震が来たらどうするか、中には遠くからの参加者、講師の先生方の交通の確保、宿泊の確保など、大変苦労しました。また、カリキュラム、講師の変更など、森永太先生には大変ご苦労かけました。

5月21、22日には、第22期16名を迎え、粛々と講義が進み、最後のアンケートでは受講生から高い評価を得ることができました。ホットした心境が正直なところでした。この間、多くの方から、お見舞い、ご支援、励ましを受け、何と心強く思ったことでしょう。心から感謝申し上げます。

5月~8月、第1回~第4回までは、伊東歯科口腔病院会議室、9、10月は、熊本県歯科医師会館、11月は国際交流会館と、止むを得ず会場が転々としてしまいました。また、通常8回のコースを、7月に3日間連続、各回の時間を延長するなど工夫して無事に修了しました。

11月20日修了式の時には、さすがに胸に込み上げるものがあり、勇気を持って参加していただいた受講生に感謝しました。修了式後、添島先生のご自宅を訪問し、阿部先生、森永先生、土屋先生、加来先生共々訪問し、故添島義和先先生の御仏前に、この困難な中で、会員一同力を合わせて無事に終了したことを報告し、喜びあいました。この貴重な体験を通して、認定講習会をこれまでより、より充実させ実りある100時間コースへ発展させ、創造的復興を果たしたいと考えています。

2017年度23期生は、修復終わったデンタルフォーラム(添島歯科内)で4月から23名の受講生でもってスタートし、11月に無事修了しました。各受講生の感想文を本ホームページに掲載しています。是非ご参照ください。

 

  1. 公益社団法人日本口腔インプラント学会(JSOI)の方向性

渡邉文彦学会長が悲願とされる「公益社団法人として広告可能な専門医制度へ」が大きな柱となって、会務全般が進んでいます。専門医制度の質が問われることは必至で、全国68施設が統一した一般目標と行動目標を持ち、各施設で可能な方略と評価を確立するために、カリキュラムプラニングの研修会が必要とのことで開催されました。私と森永太先生が参加し、今後も引きつづき開催される予定ですので、本会からも順次参加をと願っています。

これまで名研修施設で、バラバラに行われていた認定講習会を、共通の目標と方法でレベルを上げ、国民の付託に応えようとするものです。しかし実現には大変なエネルギーが必要で、賛否の分かれるところもありますが、九州インプラント研究会としては学会の方針に従って、というより、積極的に関与して、いいカリキュラム、いい専門医制度が構築できるよう努力したいと考えています。

まずは、各施設でしっかりしたカリキュラムに従った講習会を開くことで初めて専門医制度の俎上に上ることができると考えています。

 

5.これから

①30年の長きにわたって、事務局を担当していただいた佐藤哲夫氏が、辞意を表明されました。これから事務局は、伊東歯科口腔病院に移行しますので、これまで通りよろしくお願いいたします。佐藤哲夫氏には引き続き運営事務局を預かってもらいます。

②金銭の授受がすべて振り込み制に変わりますので、ご協力をお願いします。不明のことについては、事務局の相良までご相談下さい。

③24期生募集について、24名を目標に、各会員は毎年一人をKIRG認定講習会に送り込む意気込みを持ってほしいところです。

事務局としては、パンフレット、ポスター、DVD(これから)を作製して各会員に配布しますので利用して下さい。現在数名の方から問い合わせが来ています。

 

添島先生を偲んでいると、先生がご存命であったら、今頃とっくに日本一のグループになっていたのにと思います。そこまで行けない我が身の非力を反省しつつ、会員全員の協力をお願いします。

 

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